マカオの大砲台が並ぶモンテの砦

中心部からは、マカオタワーよりもこのグランド・リスボアのカジノビルがとにかく目立つ!

意外と中心部から北部は、民家も立ち並ぶ庶民的な場所なんだけど、とにかくこの存在感と来たら。なんだかビルに見降ろされてるみたい。



 

続いては、モンテの砦へ向かいます。

聖母教会をマカオに建てたイエズス会が設置した大砲が今もなお、たくさん展示されている場所です。

聖ポール天主堂跡からすぐそばにある丘を登っていくのです。

さっき、聖ポール天主堂跡の裏側に登ることを速効で諦めたへたれでありますが、結局自分が見たいものが丘の上にあるので、こんなしんどい階段を登る羽目になっております。

 

見えてきた!

イエズス会が、こういう大砲とかも建てるんだぁってのも正直な感想ではあったのですが、高い場所に造られただけあって、マカオでは戦時中、一番の重要な攻撃、そして防御の場所でもあったそうですね。

この場所によって、オランダによる2度もの攻撃からマカオを守った凄い場所なんだそうです。

 

到着!要塞の中への入り口。

やっぱりここにもヨーロッパ色が強く反映されていると思います。

中にある博物館はまさにヨーロッパに来たみたいな外観。

しかし、周りを見回すと大砲が何台も設置されていて物騒。

今じゃもうリスボアホテルを撃ち壊しそうな勢い。

ゴロー丸がおもむろに言いました。

「サヨってさあ、なんでこんな戦争の跡地とか好きなの?この大砲でだって何万人の人が殺されているのに、よく喜んで観に行くよね。」

 

なにをー!!

 

私はただ負の世界遺産が見たいだけなのだ。

そこには興味を超えた私なりの想いがあって、レポート用紙に書くくらいじゃないと簡単には説明できないくらいの気持ちはある。

まさか、それらをいとも簡単にひとこと感想文で批判されるとは思わなかった。

その上、イラッとしたのは、リアルモンハンとか言って、ゴロー丸が大砲の前でポーズを決めてきたことです。

載せてやろうかとも思いましたが、ばかばかしいので放っておくことにしました。

そんな場所で、自分入れて写真撮る方がどうかと思うし!

 

しかし、本当にこんなので撃たれたら街なんて一瞬で壊滅状態だと思う。

どんな理屈であれ、攻撃と防御は背中合わせですね。

 

この丘のてっぺんは、マカオの街がぐるっと一望できます。

南側、遠くにマカオタワーがそびえ建っています。

これは西側。聖ポール天主堂跡が真下に見えます。

そして必ず、その方向へ向けて大砲が設置されているのですが、

こちら側、北方面には、大砲は一台も見当たりません。

何があるのかと言うと、こっちは中国大陸。

つまり、中国は敵ではないということで、北向きの大砲は設置されなかったそうです。

この小さな丘が境界線になっていて、あっち側の人達は死んでも構わないけど、こっち側の人達は殺しませんと言うはっきりとした意思表示です。

なんか余計に大砲の向きということだけで、ブルーな気持ちにもなってしまいました。。。

 

途中で出会ったラジオから音楽を流してダンスをしていたおばちゃん達。

このダンスが可愛くて、ちょっと救われました。

お決まり。

世界のゴミ箱シリーズ。マカオ編をこんなとこで見つけた。

戦争の爪痕ではない、人間の底意地の悪さなのか変な執着心というべきか、心情を思いっきり映した負の遺産的な場所はちょっと気分が落ち込みますね。

戦跡の中でもこういう境界線的な場所は、ちょっと珍しい気がします。

 

戦争には敵と味方がいて、そもそもはそんなものないのに、戦争によって造り出して、殺してもいい人、殺しては駄目な人って分けてる。

モンテの砦は、戦時中の人間のあらわな醜い感情を教えてくれる場所でした。

 

 

 

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sayo

一人旅が大好き。特に長距離バスを乗り継いでの移動が多く、現地の人との交流がとても好きです。 読んでくれた方が、旅気分になってもらえるようなサイト作りを心がけています。