数時間遅れで、サルタの町へ到着。
と言っても、できる限り、今日のうちに進んでしまいたいので、
まだまだバスを乗り換えて、もっともっと東へ進みたいのです。
でも、ラキアカの町で、バスに乗れるくらいだけ両替したので、
手持ちのお金、アルゼンチンペソもほぼ残っていないので、まずは両替を探します。
サルタのバスターミナルの建物の中へ。
ところが!
ボリビアを出て、ここまで順調だったけど、なんだか雲行きが怪しくなってきた。
私達は、完全にアルゼンチンの歩き方、今の諸事情を知らなかった。
ターミナルの従業員っぽい人や、売店なんかの人に両替所かATMはどこですかって聞いても、
わからない、もしくはないと思うとの答えしか返ってこず、
入り口の案内マークの中には、確かに$マークがあるんだけど、
ターミナル内うろちょろしても、ATMすら見つからないのです。
小さな食堂のおじちゃんは、他の従業員に聞いてみてくれたにも関わらず、
それでもみんな、わからないと。
何もないようなバスターミナルならまだしも、
こんな立派な建物があって、何社もバス会社が入っているような広いターミナルで、
両替する場所が設備されていないなんて、そんなの初めてなんですけど。。。。
とにかく、こうしてても時間が過ぎてしまうだけなので、
先に目的地までのバスチケットを買ってしまおう。
それから、出発時間までの空き時間か、時間がなければ次の町で両替しよう。
ターミナル内、うろちょろしてたら、ラパス以来のチーバくんもどきに再会。
UFOキャッチャーのケースの中でした。
とりあえず、次に使うバスは、ここの会社のカウンター。
Tigre Iguazu社
インドの織田裕二そっくりなおじちゃんが、対応してくれました。
チケットくださーい!
え?2枚だよ?どす ぽるふぁぼーる!
ん?
まにあーな??
のーのー!!おい!おい ぽるふぁぼーる!!
夜行でもかまわないよ!
必死で、今日(おい)出発したい旨伝えますが、
おじちゃん、
no!no!
首を振って何かを訴える。
え?もしかして、もう今日ってバスないの??
まじかー。。。
バスはもう、私たちが到着する寸前に出てしまっていたのです。
ラキアカからのバスが、遅れなければ間に合ったのに!!
サルタで、しばし足止め決定。
しかし、この運命のいたずらのおかげで、
そんなに興味のなかったアルゼンチンが、
最早、世界の中でも片手に入るくらい好きな国となる出来事が、ここから、たくさん起こることとなったのです。
ひとまず、それはこの後の話。
さて。ここで足止めなら仕方ない。
次のバスを予約させてください。
でも、おじちゃんは英語が全く通じない。
こちらの頼りないスペイン語とおじちゃんのぺらぺ~らなスペイン語でやりとりするんだけど、
お互い、聞きたいこと、必要なことが、すれ違うばっかりで、一切進まない。
かと言っても、おじちゃんは、こんな言葉の通じない外国人相手に、
門前払い的なことも一切せず、一生懸命進めようとしてくれます。
だけど、おじちゃん、何か言いたいみたいで、必死に何か話しかけて聞いてくる!
単語じゃないからわかんない!!
お互いにっちもさっちも。。。
そのうちに、後ろにカップルが来て待たせる羽目に。。。
「ごめんなさい。」
「ううん。ちっともかまわないわ!」と、爽やかな彼女。
しかし、おじちゃんとのやりとりは、一向に進まず、
こちらとしては、とにかくバス席が確保できればいいんだけど、
おじちゃんも必要な情報があるから、とにかくどうにもならず。。。
旅先で、久々に途方に暮れるっていう出来事に遭遇した気がする。
困り果て、後ろのカップルに助けを求め、英語話せますか?と聞きました。
そしたら、これまた救世主!
彼女は、英語がペラペラだったのです。
「うん、大丈夫よ。どうしたの?」
そして、彼女がおじちゃんとの通訳となって、全部進めてくれました。
おじちゃんが、一生懸命、私たちに伝えたかったことは、
”キミたちが行きたい目的地へ行くには、
乗り換えが2回必要だから、必ず、乗り過ごさずに乗り継ぐこと。 ※ここ、ほんと大事な情報だった!
それから、座席は全部指定できるから、楽な席を選んでね。
ごはんも、何種類かあるうちから選べるよ。”
っていうことでした。
彼女には、もちろん何よりありがとうですが、
おじちゃん、異国の言葉もよくわかってない外国人が、迷子になったりしないように、
適当に流さず、大事な情報を伝えようとしてくれてたんですね。
いやもう、アルゼンチン人って、こんな感じなんだな。凄くいい人。
で、無事に予約を進めてもらって、支払いを。。
って、カード使えないんですね。
え?ドルもダメなの?どうしても?
すまなそうな顔で、私たちを見返すおじちゃん。
どうしよう。
もう町に行って、両替してまた戻ってくるしかないよ。面倒だけど。
でも、町で本当に両替できる?こんなターミナル内でも両替所ないし、町で見つけられる?
しかも、戻ってきてカウンターも空いてるっていう保証ある?
今日、予約できなかったら、どんどん出発日遅くなる気がするし。。。
と言っても、払えないものは払えないんだから、どうにかペソを確保するしかないよ。
ゴロー丸と話してたら、また彼女が、
「どうしたの?」
「私達、ドルしか持ってないの。で、さっき両替を探してたんだけど、ターミナルにないらしくて。」
「そうなの?そうねぇ。両替はわからないけど。。。」
そう言うと、彼女は、またおじちゃんと何か会話し、何度かやりとりした後、
「安心して。ドルで払って大丈夫よ!」
どうやら、おじちゃんにドルで払えるように交渉してくれたのです。
これには、本当にありがたくて、もう神様なんじゃないかと本気で思った!!
感激して泣きそうでした。
「ありがとう!本当に助かった!」
「ちっともかまわないわ。どういたしまして。」
最後まで爽やかな彼女。
もう、可愛くて、性格も良くて、かっこよくて。隣の彼も彼女に惚れ直したよね。
旅先で、助けてもらったこともたくさんあるけど、
ヨーロッパでは、もたついていたら、イラつかれて舌打ちされたり、
謝っても無視されたり、某レストランでもそうでしたが
そんな記憶が頭をよぎり、何かつまづいて、後ろに並ばれるとドキドキしちゃうのですが、
アルゼンチンは、こんな感じなんだなと、温かみを本気で感じました。
そんな彼女には、キャンディーをお礼に渡すことしかできなかったけど、彼女にもらった優しさを、
私もちゃんと次へ渡していこうと改めて思った。
そして、諦めずに対応してくれ、大事なことをちゃんと伝えてくれたおじちゃんのプロさ加減にも、
本当に感謝です。
こんなハプニングがなければ、アルゼンチン人をわかることもなく、通り過ぎるだけだった町。
サルタに、しばし滞在することとなりました。
でも、さっきとは全く気持ちも変わって、サルタでの滞在が急に楽しみになったのです。
私は、単純な旅人だよ。ほんと。
あなたにも行きたい場所へと飛ぶ風が吹きますように。
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どこにいても人の心を感じることがあると、一気にその土地と人とを好きになっちゃいますよね^^
チケット売り場のおじさんも助けてくれたお姉さんもいい人だ。
アルゼンチン、行ってみたいなぁ(*^▽^*)