さて、ここまで、村の子供達や村人に癒されながら、順調に来たトレッキングですが、
この集落に差し掛かったあたりで、
だんだん雲行きが怪しくなってくるのです。
ここに来るまでもずっと、maps.meを使って来ました。
前回の記事でもずっと書いていた通り、順調で、本当にありがたいなと思っていました。
でも・・・
まずは、この集落をぐるっと囲むように山道があり、指示通りそこを歩いていました。
ここまでは、のどかで村人もたくさん居て、いっぱい挨拶してくれたけど、
この集落はなぜか歩いている人が全く見当たりません。
スラム街ってほど、朽ちた雰囲気ではないし、建物もしっかりしているし、
南米とは違って、ネパールではすっごい危険な感じはしないし。
だけど、とは言えこれでも女一人旅なんで、
用心するに越した事はないので、
集落には降りないようにしたいなとなんとなく思いながら、山道を進みます。
少しして、この集落のある下の道路から、一人の男の子に声をかけられました。
私の感覚だけど、日本人で言えば中学生くらいかなぁ。まあ、幼い子供ではありません。
最初は、普通に挨拶してくれたので、これまで通り挨拶を返して、
そのまま通り過ぎるだけだと思っていました。
でも、彼は続けて会話をしてきたのです。
「どこに行くの?」
「ジャパニーズテンプル、ワールドピースパコダだよ。」
「地図はあるの?」
「あるよ!Bye!」
こんな子供とは言え、今まで挨拶してくれた人達とは違って、完全に英語を話しているし、
まぁ何か声をかけてきた辺りで、今までの癒し子供達とは違うなって思ったんですが、
つまり、よくいる勝手にガイド → お小遣い程度のお金請求、まぁ、それだったらまだいいけど、
旅友に聞いた話だと、勝手にガイドかと思ってついて行ったら、とんでもない金額要求され、
山の中でどうしようもできず、ほとんど強盗状態の断れない状況になった人がいるらしいよ!
って話を聞いてたんで、若干警戒しました。
とは言え、彼は集落の下の道にいるし、私が歩いているここは、一軒家以上の段差があるし、
さすがにここまでは来ないだろう。
地図持ってるし、バーイって言ったらわざわざ来ないだろう。
そう思っていたのですが、甘い考えでした。
この集落を通り過ぎて、山との柵がなくなったら、
maps.meの指示では山の中へ行くルートに入る予定でした。
でも、なぜかここに来て、道案内のカーソルがすっごい勢いでブレ出して、
ただでさえただの山道なのに、もはやどの道を指してんのわかんないし、
こっちかなって思って進むと、全然違う方向を指し始めるし、
目的地の方向はわかってるけど、真逆を指し始めるし・・
山道だしこっちから行くのかなって思って行ってみると、
カーソルがいきなり違う場所にワープするしで。
山だから狂いだしたのか、
それとも私のアプリが調子悪いのか(そもそもダウンロードした最初の頃全く使えなかったし)
そんな私は、そりゃ傍から見てたら心配度100%にもなる動きをしていたと思います。
いくら山道とは言え、ほんとにこんな道なき山を行くのかよ・・・
完全にトレッキングよりも、早速崖登り状態なんですけど。
「こっちだよ!」
そんな中、いきなり背後から声をかけられて、ビクーーーっとして後ろを振り返ると、
さっき下の道にいたはずの男の子が真後ろに立っていました。
「ガイドするよ!」
はい、来たー!!
これ、噂のやつか。
「いらないよ!地図あるから大丈夫。」
「でも、小さな道だし、山の中だし、難しい道だよ。僕は道を知っているから。」
「私、一人がいいんだよ。」
「じゃあ、途中までガイドしてあげるよ。」
いやー、いいですーーー・・・
ありがたいけど、旅友談も気にかかるし、親切かと思ったら、結果悪い方向に行くのが私だし、
旅人の勘もあるし。
それに私ひとりっこだから、いくらなんでも大して気心も知れていない人との(警戒しながらの)、
ただでさえしんどい長時間の二人山歩きは、更に疲れる気がするし。
だから、サンタナのオーナーの申し出も断ったくらいだし。
いくら断っても、この子は一緒に行く気まんまんで、もはやどうしようもなかったんで、
そこからは言葉がわかんないふりして、
ひたすら、パードン?ソリーをアホみたいに繰り返しました。
いや実際にすっごい訛りの強い英語だったんだけど。(自分のことは棚上げ)
そのうちに、このジャパニーズ女、おかしいって思ってくれたのか、彼はいなくなりました。
ひとまず、危ない山は登り切ったようだ。本当の山はこれからだけど。
とは言え、苦境が過ぎ去ったわけではなくて、この山道本当か!?って思うようなルートです。
相変わらず、maps.meは狂っていて、ワープしたり道なき道を示してるし、
昨夜から朝方まで降り続いていたどしゃ降りのせいで、道はぬかるんでいて、よく滑るし。
でもひたすらに狂った指示の通りになんとか進んでみました。
道を戻っても、さっきの男の子に出くわしそうだし。
だけど、すぐにすっごい斜面になりました。
大きな岩があって、そこを登らないと指示している道に行けそうにないのです。
はっきり言って、私にとってはロッククライミング状態です。もちろんやった事は、ありません。
登ろうとして、まんまと滑って、右手の中指を強打したところで、早速、心が折れました。
これ。
写真の撮り方が悪いけど、実際は写真で観るよりもすっごい斜面でした。いやほんとに!!
もうここで帰ろうか。
でもここで帰ったら自分に負けるし。
ずっと来てみたかったポカラになんの為に来たんだ?ただ沈没するためか!?
色々、この旅に出るまでも嫌な事とか許せない事とかもあったけど、
ここでちゃんと無事ゴールに到着出来たら、また1つ強くなれる気がする。
それに、どうしても叶えたい願いがあるんだよ!!願掛けしてるんだよ。
何が何でも、ジャパニーズテンプルに到着してやる!!
ってことで、自分を奮い立たせた私は、別ルートでアタックしてみることにしました。
いや、何がいっちょまえにアタックだよ。
おまえが目指してる日本山妙法寺って、超初心者コースだよ、って、
きっと慣れた登山家さんは、つっこみたくなるでしょうね。
でも私にとっちゃ、ほんとこのデビュー戦がとんだ大きな山なんですよ。
山じゃなくて別ルートで行ってみることにしました。
maps.meには、村側の地図は省略地図でただの野原状態で道すらありません。
下調べもしてないんで、本当にこっちに行って辿り着けるのかわかりません。
でも確か、徒歩じゃなくてフェワ湖をボートで横断してくる短縮ルートがあるはずなんですよ。
完全トレッキングデビューにしたかったんで、ボートを使うのはやめましたが。
きっと、西側ルートがなんかありそう。
ってことで、山を降りて、完全に村の中を歩いて近づいて行ってみることにしました。
ふたたびちょっと素朴な景色が広がりだして、少し安心しました。
もはや、maps.meもただの大きなスペースにカーソルが動いてるだけなんで、
地図の役割も果たしてないんで、しまいました。
でも右手の山を離れずに歩いていたら、どっかに別ルート見つからないかな。
山道よりは、村の中の方が断然楽です。
山道よりも、村の中の方が暮らしも見られて好きです。
可愛い飼いダック達に出会ったー。 ウルルン滞在記風に
とは言え、一度折れた心。
さっきまで挨拶してくれた村人や、可愛い子供達に癒されて、ニコニコ歩いてたのに、
今や、本当に辿り着けるのか不安でいっぱいなんで、大好きなダックを見ても癒されません。
しかも、地図もなくなって、適当に歩いているので、時々、
通り道なのか人ん家の庭なのか、よくわかんない道を歩いたりしてます。
こんなの銃社会の国でやったら、かなり危ないやつだー。
不安になってきたので、再びmaps.me起動。
画面には目的地まで、徒歩15minって出てる。
そんなの絶対無理に決まってんだろうがーー!!
ジャパニーズテンプルは遥か向こうの山の上に見えてるし!!
再びバックにしまいます。もう行きは信用しない。
とにかく山から離れないように歩いて、
そしたらなんと、私の勘が勝った!!
看板が出現したのです。
いやもう絶対、山道案内するよりも、こっちのルート案内するべきだし!
さて。
これでようやく目的地に到着できそうです。
私の空も再び晴れ。。。
これ、まじか。
今度はもはや、てっぺんなんてちっとも見えやしない、
見上げても無駄なくらいの大階段が出現したのです。
あなたにも行きたい場所へと飛ぶ風が吹きますように。
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View Comments
ご無沙汰です
日本は梅雨入りの季節です
相変わらず凄い旅をされてますね
以前に書き込みは東ドイツでしたか
アウシュビッツ?
その勇気ある旅に頭が下がります
頑張って下さいね!
はるかな日本より
あーあ…
大変そう…
へこたれぬ根性、見上げたもんです
でも、見上げるほどの階段は…
登るのも大変そうですね、ハア
読んでるわたしの方が心が折れそう(笑)
こんばんは
チャレンジャーですね!!
オイラだったら地図が狂いだした時点で心が折れます (^▽^;)
しかも知らない土地で安全かどうかも分からない状態だと尚更
それにしても旅慣れしてる人の勘はすごいですね!
ちゃんと看板の所に出てるし (≧▽≦)
無事たどり着けたのかな??
本とか
ブログをアメーバ以外に公開でしょうか?
本を出版とか、別のブログ?
私はフェイスブックをやってます
名前は馬場正光です
体調を維持され、お元気に❗
凄い行動力ですね
素晴らしい!
でも気を付けて下さいよ~
心配だな・・