うまい話が、大嘘だったと判明する朝がやってきました。
5時起床。
やっぱり眠い。
旅に出たら、東京にいる時みたいな不眠はなくなって、いつも良く寝つけるのに、
寒いからか、今回の旅はまだまだ寝付き悪くて、結局夜更かし状態なのです。
そして、朝早いのでパッキングを昨夜のうちに済ませたくて、
トラベルシーツをしまってしまったので、この宿に来てから一番ってくらい寒かった。
ほんと、私のトラベルシーツは有能です。
実は、ネパールの寒さを甘く見てたので、カイロをほんの少ししか持ってこなかったのです。
それで、ウユニ塩湖の時は大後悔したのに、勉強しない旅人だなー。我ながら。
ポカラは暖かいらしいけど、山を越えてく移動に備えて残り少ないカイロを貼りました。
メールチェックをすると、カビンからメッセージが届いていて、
返そうと思ってたのに、すっかり忘れてた。
でもひとまず、カトマンズは発ってしまうので、また戻ってきたら会おうねと返信。
結局、宿泊期間中、一度もあったかい!と思えた事のなかったぬるま湯シャワーを浴びたら、
いよいよ部屋を出て、フロントへ向かいます。
この後、ずっと言って来た大嘘事件が判明するのですが、
そういうのが起こる時って、なんかそわそわ、おかしいなって思う物で、
この日も、部屋を出た瞬間から、なんか変な予感がしていたのです。
と言うのも、宿全体が暗い!!
まだ夜明けだから仕方ないけど、フロントに降りる階段ですら真っ暗。
まあ、これがネパールだしと不安を掻き消して、レセプションのある1階に到着しました。
もしかしたら、他にポカラ行く人なんかがいて、東南アジアの長距離バスの送迎みたいに、
いくつもの宿に寄って人を拾ってく方式なのかもと思ってたけど、
それも速攻で打ち消されました。
せめて、この宿の客で、他にもポカラ行く人とか居たら違ってたのかもしれないけど、
もうこの真っ暗の状態を見た瞬間、これやられたんじゃないかと思いました。
だーれもいません。
フロントの奥の部屋に声をかけると、中から従業員の男の子が、
明らかに寝起きの顔で出てきました。
「グッモーニン!チェックアウト?」
「うん。あ、昨日お金は払ってあるからね。」
そして、彼は宿の帳簿のようなものをチェックして確認すると、
「OK!Thank you! Good-bye!!」
と、たった3つだけの単語を口にしました。
おいおい!!ちょい待てちょい待て!!!
「ポカラ行きのバスステーションへの送迎はいつ来るの?」
と、最後の期待を込めて聞いてみました。
まあ、言われていた時間のまだ5分前だし、もしかしたら、ね。
5分前行動なんて、日本人だからだしね。
だけど、彼は明らかに顔つきが変わり、
「送迎?バスターミナルまで送迎するって?誰と約束したの?」
と、逆質問をしてきました。
「オーナーだけど。昨日、チケット買った時に。」
すると、あー。。。と言いながら、どこかに電話をしだす彼。
でも、出ない様子。
困ったように電話を切ると、おもむろに話し出す彼。
「Actually・・・」
もう、かんっぜんにそこで、やられたと確信に変わりました。
「オーナーは、今もうネパールに居ないんだよ。昨日の夜、日本に行ったんだ。」
あー、もうやられたー。
確か初日に、日本にお店を持ってて、行くとか言ってた。
でも、チケットを買う時にあんなすらすらと説明してたんだから、
てっきり他の人が送迎してくれるんだと思ってた。
「僕は車を運転できないし、車もないし。タクシーで行く?」
もう、まんまとかよ!!
ピックアップしてくれるって言うから、ちょっと高い気がしたけど払ったのに、
結局タクシーでお金払うの??完全詐欺じゃん。
昨日フロントに居たのは、彼ではないので、彼は何も悪くないんだけど、腹がたってたまんない。
どうすんのこれ?ポカラ行けないの?今日。
ローカルバスの乗り場まで行って、改めてチケット買うしかないのかな。
でも、買えなかったらカトマンズにまだ足止めなの?
もうどうしよう!!
こんな朝早かったら、仲良くなったネパール人の人達だって、頼ろうにもみんな寝てるよ!!
と、絶望しかけたその時、
「バスターミナルまでは歩けるよ。徒歩10分くらいだよ。
今はまだ出発時間まで30分あるから大丈夫。」
へ?
「でも、遠いから歩けないって言ってたけど。」
「いや、遠くないよ。道も難しくないよ。」
そう言うと彼は、簡単に方向を示してくれましたが、全く親切に思えず、
もう、迷っていても、喧嘩しても、バスは出発してしまうので、歩いて行くことにしました。
と言うか、歩けるんじゃん。ほんと、全部嘘だったんじゃん。
外はまだ真っ暗です。
人もちらほらしかいなくて、この重いバックパックを担いで歩いて行くには、たじろぎましたが、
もうほんとに迷っている時間なんてありません。
しかももう今なら、多少変な奴がいても、この怒りで満ち溢れたオーラで、
誰も寄ってこない気がする。
もう、このトラベラーズホームの人達、誰も信用できないし、
さっきの彼の言っている事も本当かよと思いましたが、
声をかけてきたタクシードライバーにポカラのツーリストバスターミナルまで歩くというと、
同じように10分くらいと言って、道をよく教えてくれました。
もはや、信用してないタクシードライバーの方が親切って言うー。
ってか、朝早いからタクシーつかまらないってのも嘘じゃん!
しかも、ぼってくるどころか、親切に乗りもしない客に道まで教えてくれてるんじゃん。
もう、嘘、嘘、嘘、うそ!!全部ウソ!!!!
大嘘つき!!!
怒りに震えながら、一人ぶつぶつ文句を呟きながらも懸命に歩いて、
タメルを抜けたところで、 道が二手に分かれていて、どっちに行くか迷いました。
でも、すぐそばに結構な量の荷物を持った地元のおじさんが3人くらい居たので、
「ポカラ行きのバスターミナルはどこですか?」
と聞いてみました。
すぐに聞いたおじさんは、別のおじさんに伝えてくれると、
別のおじさんが、「ポカラは俺達も行くんだ。一緒にバスターミナルまで行こう。」
と言ってくれました。
そして、簡単にお互いの話なんかをしながら、すぐにバスターミナルに到着しました。
と言っても、バスターミナルではなく普通の一本道に何台もバスが停まっているんだけど。
(2019年版カトマンズからポカラへのバス 記事参照)
そして、おじさん達は、
「キミは、バスチケットを持っているの?」
「あります。これ」(もはや、本物か疑わしいけど)
「じゃあ、ここに並んでいるバスのどれかだよ。
俺達はこれからチケットを買うから。グッドラック!」
と、颯爽と去って行きました。
いやもう、騙された傷がギシギシと痛んでるし、でも、
ラッキーな事に、親切なネパール人達のおかげでここまで来られたし、
もはやなんか、心はもうぐちゃぐちゃでした。
ちなみにトラベラーズホームからここまでは、徒歩10分ではなかったけど、
私の短い足では、30分はかからなかったくらいかな。
以前にも書いたけど、評判がいい宿ではあるんです。
楽しい事ばかりで過ごせた旅人にとっては、本当最高の宿だと思う。
宿で会った日本人の彼も絶賛してたし。煮え切らない発言も目立ったけど。
でも結局、中には色んな風に騙された人達も居て、
こっち側の人間にとってみてはたまったもんじゃない。
同じ日本語教師の同僚で、以前ネパールで教えていた人が居て、
その人は、騙したんじゃなくて適当なだけ、と言っていたけれども、
それでもたまったもんじゃない。
たかだか200ルピー程度(200円程度)。
でも、200ルピーで、ネパールでは一食食べられますよ。
サモサなら、6個くらい食べられて、6食分にもなる。
そう考えると、すっごい大きな詐欺。
いつもこの途上国での、どうせ先進国の人間は金持ってるんだからと考える人の、
その心が本当にいつもいつも引っかかる。
それは、私が甲斐性がなくて心が狭いのかもしれないけど。
それでもやっぱり、そんな人の方が少なくて、
真面目に生きている人や親切にしてくれる人がいるのを、知っているからこそ、
やっぱりそんな悪の詐欺が許せない。
いわば、それが途上国でもあるんだけど。
おんなじ宿に泊まって、シーズンが違ったり、タイミングや人を診てかなんかで、
楽しい思いをした人と、嫌な思いをした人に分かれるのってなんだかなぁー。
女一人旅は、そういうの絶好の付け込まれるカモでもあるけれども。
まぁー、悔しい!
ってことがあって、カトマンズのトラベラーズホームは全くおすすめしない宿っていうのが、
私の率直な意見です。
まぁ、ありのままを書き綴る旅日記なんで、声を大にして書きますよ。
カトマンズでは、こっちの方が日本人宿に相応しいって宿に出会ったんで、その話も後々。
で、バスターミナルは、ポカラ行きバスがすっごいたくさん停まっています。
バスにもチケットにも、バスなんかの名前が書いてあるわけでもないので、
正直、外国人にとっては何を見て判断すればいいのかわかんないけど、
近づいて行ったら、各バスの乗務員さんなのか、ちゃんと係員らしき人が外に立っていて、
チケットを見て、あっちのバスだよと教えてくれました。
とは言え、本当何台も並んでいるので、あっちがどれなのかも不明。
再び、次のバスの係員がチケットをチェックしてくれて、「あっち。」
正直、送迎話も価格も嘘っぱちだったんで、このチケットも偽物なんじゃと疑っていたけど、
どうやらチケットだけは本物だったようです。
教えてくれる人みんな「ホリデー」って言ってたけど、会社名かな?バス名かな?
そして、6台目くらいでやっと、「このバスだよ!」と到着する事ができました。
間に合ったぁー。
かなり安堵。
ポカラまでお世話になる長距離バス。
係員さんは、私のバックパックを後ろの荷物置き場に積んでくれて、乗ってていいよ。と。
バスの写真を撮ってたら、係員さんが再びやって来て、
「俺を撮ってくれよー。」と、にこにこ。
でもすっごい早足で歩いて疲れてたのか、何度頑張ってもブレブレで残念です。
私のカメラも、すっかり傷心気味か。
いやでも、ついこの1時間くらいの間に、
ネパール人に騙されてた事が判明して、人間不信の気持ちになって、
助けられて、親切にしてもらって、フレンドリーに話しかけられて。
ほんっと、心がグルグル過ぎる。
バラナシ並に、人によってコロコロ場面が変わり過ぎてなんか凄い。
係員さん、かなりフレンドリーな人で、彼のスマホで一緒にツーショットを撮ったり、
国とか名前とか、すっごい質問攻めにあったり、
まぁ、ほんとにこういう時は、救われはしますけれども。
海外で長距離バスで移動するときは、乗務員なりドライバーなりに、
目一杯の笑顔で、最初から存在をアピールするようにしています。
その方が、休憩の時とか置いて行かれる心配がなくなるし、何かと気にかけてくれるからです。
でも、この人、ただの陸上での係員だったらしく、バスには乗り込んでこなかったけど。
バスに乗ってみると、焦って来たけれども、一番乗りでした。
ほんと、時間を気にし過ぎる日本人の悪い癖。 右京さん風 相棒大好き
一応、完全指定席のはずで、窓側席指定したし、チケットにも座席番号書いてあるんですが、
椅子にも天井の荷台部分にも番号がないんで、どうやって探せばいいかわかんなくて、
結局、フレンドリーな係員さんに聞きに行きました。
どうやら、左最前列通路側から1、2、3、4と数えて行くようでした。
で、左側が終わったら右側へと移るみたいで。
なので大きな数の座席番号だと右側席のようです。
椅子に座ると、なんだかどっと既に疲れが押し寄せてきたけれど、
まだまだ新しい町に行くのに、こんな初っ端から疲れていても駄目だし、
この後はもう満喫するだけ。そう思うようにしよう。
あなたにも行きたい場所へと飛ぶ風が吹きますように。
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View Comments
こんばんは
そんな事があったんだ!!
日本人向けの宿だしなんとなく安心できそうな感じだったのに最後の最後でどんでん返し!!
そもそもオーナー不在って確信犯でしょ~
宿泊してた日本人が煮え切らない態度だったのはそういう事だったのかなぁ~??
やっぱりある程度疑いの目で見ないといけないのかな??
でもその後出会った人たちは親切な人ばかりで救われますね