旅日記 カンボジア プノンペン

初めて見たカンボジアは

投稿日:2014-05-23 更新日:

ついさっきまで見えていたベトナムの景色とは、明らかに変わり始めます。

目に映る色が、茶色なんです。

ああ、カンボジアに来たんだ。




 

ベトナムは、のどか~って言いたくなるくらい、田舎道には緑が広がっていたけど、

カンボジアはやっぱりのどか~とは、どこか違います。

そんな風に感じた理由は、すぐに身にしみてわかることとなったのですが、

それでもここまで来た、長い旅にちょっと感動もしていました。

 

ついに、来たんだ。

私の旅のクライマックスは、カンボジアだと思っていました。

カンボジアで旅はまだ終わりではないけれど、

アンコールワットを目指して、ここまで少しずつ進んできたんです。

 

そりゃあ、一之瀬泰造さんほどの決意を持って来たわけではないけれど、

ここに辿り着きたかった。

アンコールワットには、何があるんだろうか。

あの場所で、私は何を感じるだろう。。。

 

旅に出る前、絶対に行くと決めていたカンボジア、そして楽しみでもあった国。

 

って、まだアンコールワットのあるシェムリアップへは行かなくて、

まずはプノンペンを目指します。

 

バスはすぐに、昼休憩のために、食堂へ停車しました。

そして、私はここで、カンボジアの洗礼を受けました。

 

バスのステップを降りるやいなや風呂桶なんかを持った子供達数人に囲まれたんです。

 

ああ、そうか。。。

 

なんとも言えない気分になりました。

初めての出来事でした。

物乞いの子供達。

今まで私が行った国で、出くわしたことがありませんでした。

 

子供達は、ニコリともせず、まばたきもせず、ひたすら何かをせびってくるのです。

私の腰程度しかまだ背がない女の子や男の子。

きっと、小学生にもまだなっていないような歳の子達。

東南アジア旅に出て、色んな国でそんな人達にはたくさん出会ってきたけれど、

こんな風に体に触れられながら、何かを求められたことなんてなかった。

 

しばし、離れて椅子に座っていると、子供達はゴム飛びなんか始めて、

今までの国でも見た子供達とおんなじ遊びをしているのに、

あきらかに違うのは、顔が笑っていないんです。

正直、楽しいのかよくわからないくらい。

 

タイでもラオスでもベトナムでも、もちろんそれ以外の国でも。

私が行った国の子供たちは、小さな遊びで、弾けるくらいに子供達は笑っていました。

何もかも忘れて、思わずシャッターを切ってしまうくらい。

子供は、キラキラしたもんなんだと、勝手に思っていました。

 

今まで、旅の途中で出会った旅友たちが、先にカンボジアへと到着して言っていました。

”カンボジアの子供達がどの国の子達よりもすごく可愛かった”

誤解を恐れずに、心の内を書きとめたい。

でも、どんな言葉を探してもやっぱり書けない。

可愛いってお世辞で思えない。

 

私は、やらない方がいいよ、と言われていることをしました。

残っていたベトナムドンを全部握りしめて、子供達の元へ向かいました。

物凄い勢いで、子供たちに腕を掴まれます。

 

男の子達は、私の手から無理やり奪っていきます。

凄い力で掴んでくる男の子達の手をふりほどき、

一番小さな女の子の伸ばした手に握らせました。

でも、その時のその女の子の手の弱弱しさ。

 

ああ、この子はきっとこの意味が判っていないんだ。

ただ、周りの子達と一緒に同じことをしているだけなんだ。

まだまだ、本当にそのくらい小さいんだ。

私は、ただ泣きそうになりました。

 

私がとても可愛がっているいとこのお兄ちゃんの子供達がいるんだけど、

この子は、あの子と同じ歳くらいであるだろう。

私が地元へ帰る時は、とびきりの笑顔で笑ってくれるあの子。

あの子を思い出したら、何もせずに居られませんでした。

偽善って言われるだろうけど。

 

座席へ戻ると、呉さんに叱られました。

呉「え?お金あげたの?だめだよ。大人に利用されてるだけなんだから。

私はなにも絶対あげないよ。」

 

わかってる。

でも、乗務員から飲みかけのペットボトルをもらって、

みんなで回し飲みしている姿を見ていたら、何もせずにいられなかった。

私は、お菓子を持っていないし、あげられるものを探せなかった。

やるかやらないかの選択項しかないのに、やらないことを選択することはできなかった。

 

そんな愚者のくだんない想いです。

こんな大地の中で。

これが、カンボジアとの最初のエピソードです。

 

そして、カンボジアからも2、3人、新たに乗客が乗りこんできました。アジア系のおじさんです。

しかし、そのおじさん達がきっかけで、この後、今までの言い合いとか軽く超えちゃうくらい、

呉さんと大喧嘩になったのでした。。。女子二人旅って、あーあ。

 

 

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-旅日記, カンボジア, プノンペン

執筆者:


  1. 今夜 より:

    こんにちは

    カンボジアは、そんなに変わるのですか・・・

  2. TAMA より:

    俺も

    2000年に上海に仕事で行った初日の夜、食事に向かう道行で、いわゆる「乞食」な子供に遭遇。
    事前に聞いてはいてんけど、目の当たりにした時はちょっと…って感じ、解る気がする。。。

    で、やらかしちゃった?
    ありゃりゃーー;

    んじゃぁ、次回の侯爵で^^;

  3. singersongwriter☆汐 里 より:

    カンボジア、入りましたね(≡^∇^≡)

    そして私は、諸々創造して またまた曲
    書いちゃいましたw

    そのうち動画w次回は映像としてって感じです♪

  4. m-fleck より:

    すごいな~。

    私も その子供たち一人ひとりに平等に渡せるものがあったら・・・
    と思いつつ、言い訳しつつ、、、何も出来ず。モヤモヤ。。。

    あの求める真剣な眼差しを受けたとき
    観光と言って軽々しく踏み入れたことを反省させられました。

    みんな過去にあった惨劇、ポルポト政権の頃の犠牲者ですよね。
    心が痛みます。

    「物乞いに物をあげたり 物売りから物を買ったりするとキケン」
    こういう言い方って どうなの?とも思います。
    確かに囲まれてしまうと大変なのでしょうけど。

    私も7,8年ほど前にカンボジアへ行きましたが
    ツアー客の中にいた男性が
    「こういうのあるから こっちのほうに旅行するのは嫌なんだよな」
    と言うのが聞こえました。
    (いろんな意味にとれるような言葉ですが)

    結局、なんとかしてあげたいけど 何もしてあげられない苦しさを持っている人は
    たくさんいるのだと思いました。

    大人に利用されている、と言っても
    大人より子供のほうが同情をかってもらえて収穫があるからという必死さゆえなんでしょうね。

    長々とすみません。ずっとモヤモヤしていたもので。。。

    とにかく、
    周りに何と言われようが 思われようが
    感情を押し込めずに行動なさったサヨさん、凄いです≧(´▽`)≦

  5. 弥次 より:

    こんにちは

    親心ではありませんが女性の一人旅
    心配です。
    気を付けてこれからも旅を続けてください

  6. なお より:

    わ~♡アンコールワットってどんなとこなのかなあ~
    なんだか孫悟空の旅のような気分っ♪
    わくわくしちゃいます。

  7. KENJI丸 より:

    サヨさん♪

    いいね!ありがとう☆彡

    一人旅は充実してますか?

    楽しそうで僕も一人旅に行きたくなりました(笑)

  8. らいおんまる より:

    カンボジア、テレビではみたことあるけど
    実際の写真はじめて(^_−)−☆
    すごいおちつく空間だぁ!わたしも海外にいきたい!大学生になったらいってやるー!!

  9. Ki より:

    初めまして(^-^) のどかな 風景ですね

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Sayo

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