栃木県那須町に、殺生石(せっしょうせき)という、
ちょっと怖い名前のついた石の置かれている場所があります。
この場所に残る伝説も、ちょっと怖いお話だったりするのです。
とは言え、現在はどんな場所なんでしょう?
到着した時はすでに、夕方が迫っている時間だったので、
山の影が迫ってきていました。だからなのか、人もそんなにいなくて独特な雰囲気。
ちらほらいる団体ツアー客らしき人達がいなくなってしまうと、一気に静まり返りました。
殺生石の祀られている場所は一番奥なのですが、
足を踏み入れるともう、見渡してしまうような景色が拡がっています。
作られた歩道の左右には、大きな石が転がっています。
これらは、賽の河原です。
そして左側には、圧倒される景色。
ずらーっと並ぶお地蔵さんがいました。
千体地蔵です。
このお地蔵さん達は、昭和53年から造られ始めたそうで、
その過程には、国の反対があったり撤去されてしまったりと、
困難もあったけど、地元の人達の強い想いと行動によって実現されたそうです。
そしてここのお地蔵さんには、ちょっと変わった特徴があります。
手が大きく造られているそうです。
手のひらを大きく造る事によって、お祈りの力も大きくなるようにとの願いが込められているそうで、
現在は、約900体のお地蔵さんが造りあげられているそうですが、
その全部を造ったのは、なんとたった一人の工芸士さんだそうで、
櫛田豊さんという方なんだそうです。凄い!!
たぶん、櫛田さんも手が大きい人なんだろうな。
そんな千体地蔵を見ながら進んでいくと、いよいよ到着しました。
これが殺生石です。
真ん中の縄で括られた岩がそうです。
その昔、インドや中国で自分の美しさを使い人の命を次々と奪った女がいたそうです。
その女の正体は九尾の狐が化けたものでした。
やがてこの地にも舞い降り、人を惑わし人間の世を奪おうとしていました。
しかし、陰陽師によって姿を見破られると、逃げ込んだこの場所で石に姿を変えたそうです。
それでも悪の力は消えず、石になってもなお、毒を放ち、近づくものを殺めたのだそう。
そしてやがて人々は、生き物を殺す石として殺生石と名付けたのだそうです。
そんな伝説もあるのですが、実際には、この辺りには火山の有毒ガスが立ち込めていたので、
この地に近付く動物や人が、その有毒なガスによって命を奪われていたのだそうです。
現在も、時々立ち入り禁止になったりするのだとか。
確かに、硫黄の匂いが漂っていました。
ここより奥には進めないのですが、左後ろにあじさい小径という小径がありました。
登って行くと、さっき歩いてきた場所を一望できます。
更に進むと、神社がありました。
温泉神社(ゆぜんじんじゃ)と呼ばれていて、この辺りのパワースポットなのだそうです。
たぶん、こっちから来ると裏道的な感じなのかな。
HPを見てみると、かなりちゃんとしたパワースポットって感じだったんですけど、
この時は、夕方ってこともあって、ちょっと寂しい感じでした。
馬の神社?なんて勝手に思ってたけど、
ここには、殺生石とは真逆のありがたい石があるそうです。
さて、再び下の道に戻って。
殺生石園内を歩いてみると、湯の花採取場跡がありました。
幕府の時代には、この辺りの人達が、年貢の米の代わりに湯の花を納めていたそうです。
今は跡だけでレプリカですけど、こんな風に藁をかけて採っていたんですね。
周りに近代的な建物もないから、その姿を想像しやすいです。
そしてこれは、もう1つの石。
盲蛇石(もうじゃいし/めくらへびいし)
こっちは、とってもいい話。
昔々、ここに住んでいた五左衛門さんという人が、盲目の蛇に出会い、
厳しい冬を越せないだろうと気の毒に思った事から、木枝で小屋を作ってあげたそう。
春になり小屋を訪れると、蛇の姿はなく、そこには湯の花が残されていたそうです。
そして人々は蛇に感謝をし、その姿に良く似たこの岩を大切にしたそうです。
つまり、横にある採取場は、この蛇が教えてくれたから出来たのですね。
それによって、後の人々が助けられたという素敵な話でした。
物凄く広いわけでもないし、観光客も少ないけど、なんだか私には落ち着く場所でした。
日本を旅するなら、こういう伝説を辿ってみると楽しいですよね。
個人的には、この夕方の時間に来たのが、なんだか雰囲気があってとても良かったです。
料金:無料
営業時間:たぶんないと思います。
無料の駐車場があります。歩いてすぐ。
住所:〒325-0301 栃木県那須郡那須町湯本
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殺生石に行ったついでにこんな場所もおすすめ!(那須高原)
アジアンオールドバザール
住所:〒325-0301 栃木県那須郡那須町湯本ツムジガ平506-20
HP:http://www.asianoldbazaar.com
アジア諸国の雑貨が売られていて、食事もできて、アジア好きには楽しいです。
写真はネパールのお店ですが、他にも色んな国があって広い。
那須どうぶつ王国
HP:https://www.nasu-oukoku.com/
※なんか音声映像勝手に流れます。
言わずもがな、有名な動物園ですけど、たまらん!でした。
そのうち、記事書きます。
あなたにも行きたい場所へと飛ぶ風が吹きますように。
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