朝起きてからずっと、昨夜決められなかった旅後半のスケジュールを練っていました。
ほんっとに私という人間は、旅の中盤に来ると中だるみがひどくて、
ここへ行ってみようか。。。でも、あの町と雰囲気変わらなさそう、なんて理由をつけて、
スケジュールを書き出しては消し、の繰り返し。
しかも、日本人宿に来て誰かと出会って、新情報を手に入れようと思っていたのに、
誰も来ないんじゃ話にならない。。。
もちろん、日本人以外の人との出会いも特にありません。
田舎方面へ行くルートは、週に何本かしか動かないなんていうルートもあり、
行ったはいいが、帰れないなんてことにもなったりする。
後半になってくると、やっぱり時間が足りないなんて感じてしまう。
その反面、早く日本に帰りたいとも思ったり。
とりあえず、決まらないので、早くも宿の人に延泊をお願いして、
出かけることにしました。
ハンガリーでちょっとゆっくりしつつ、願わくは、誰か来てくれればいいんだけど。。。
まずは、ブタペストの中でも気になる場所に行くことに。
HOUSE OF TERROR 恐怖の館
かなり、外観からして目をひく建物です。
見上げると、こんな感じでちょっと圧倒されますが、
壁もこんな風に。。。
この写真の人々は、過去のハンガリーの戦争などで殺された人達です。
私が以前読んでいたハンガリーの革命について記された本の始めには、
長々と関わった人たちの名前が記されていたのですが、
たぶん、ここにも写真があったりするんだろうな。。。
入り口にもしっかり警備員がいて、観光名所ではなく、
ちょっとピリリと感じるような場所です。
入ってみましょう!!
チケットをブースで買うと、すぐ横にある入り口から中へと入れます。
入り口。
ここは、恐怖の館と呼ばれる名前の通り、
ハンガリーの受けた恐怖を伝えるための施設です。
かつて、第二次世界大戦の時代には、ナチス、ハンガリー矢十字党として使われていて、
戦争が終わり、共産主義の時代に入ると、ソ連、秘密警察本部が置かれていたという、
恐怖政治のあった場所。
そう。建物の表の壁に飾られていた写真の人々は、
そんな時代に拷問されたり、死刑にかけられたりして、殺された人々なのです。
この場所で。
ここは、ハンガリーの恐怖を伝えるというコンセプトの通り、
博物館とは全く違う雰囲気を醸し出していました。
入場ゲートを越えると、いきなり実物の戦車と外の壁以上に壁全部を覆う、
殺された人々の写真。。。
でも、すみません。
写真ないです!!
ここ、一切写真撮影禁止なんですよ。
かなり厳重に、ところどころに係員が立っていて、妙な動きをしている人がいると、すぐに注意されます。
それも、恐怖を伝えるための演出だとしたら凄いけど、
ちょっと徹底しすぎてひいちゃうくらいです。
今まで、海外で撮影禁止ってとこ、山ほどあったけど、
こんなにいたるところに係員っていたっけなぁ??
とりあえず、もらったパンフレットの写真を。
これ、入場口を入るとすぐにある戦車です。
建物は、4階まであって、中の展示物は結構見どころありました。
正直、クラクフのシンドラーの工場 みたいな淡々とした展示なのかなと思っていたら、
映像なんかもたくさん流されていて、音楽も静かで恐怖を煽るようなクラシックが流れ、
照明を使った展示なんかもあり。
こう言ったらなんだけど、歴史を芸術として伝えているような、
未体験な場所でした。
映像は、とにかくえぐかったです。
映画で見たような残酷で心のない虐殺風景そのものが流れていて、
近くに居た見ず知らずのどこかの国のおじさんと思わず顔を見合わせて、
「これ、やばいな」「だよねぇ。」
なんて、目と目で会話しちゃうくらいでした。
その映像の一部ですが、広場いっぱいに横たわった人間たちを、
まるで瓦礫でも集めるかのように、ブルドーザーで穴へ落としている映像は、
いくつも見てきた、ホロコーストの映画そのものでした。
ユダヤ系ハンガリー人が受けた虐殺は言わずもがな、
ソ連時代もそれはそれは、ブダペストの人々は苦しめられていましたから、
ここのコンセプトの通り、恐怖を伝えるには十分なはずでしょう。
AVHと呼ばれたハンガリー国家保衛庁は、とにかく冷酷で、生も死も彼ら次第と言われていたそうですから。
他には、各部屋にちゃんと演出があり、一台の高級車が展示されていて、
そこに真っ赤な光が降り注いで、その明かりが徐々に消えて真っ暗になっていく展示や(ナチスを皮肉っているのでしょうか)
時代の移り変わりを表している、
ナチスの制服が捨てられ、共産党の制服がかけられている展示も。
あとはやっぱり、ユダヤ人のホロコーストと言えば、
ビルケナウまで続く悲しみと地獄の線路がすぐに浮かぶんだけど、
それを表している部屋がありました。
両サイドのスクリーンには、流れていく景色や列車が映し出されて、
まるでその列車に乗っているような演出になっていて、
時々、証言者などが話している場面に切り替わります。
その中央部にはいくつかケースがあって、実際使われていた私物なんかが展示されています。
そして、強烈だったのは、地下の牢獄や拷問室へと向かうエレベーターの演出。
例えるならホーンテッドマンションの最初みたいでした。
エレベーターの中には、男性の低い声が響いていて、
スピードもかなりゆっくりになりながら、下へと降りて行きます。
そして、どんどん照明も暗くなっていくのです。
そんな地下室。
ハンガリーの歴史の本を読んで、更にユダヤの歴史も知りつつここに来ると、
演出の深さに感心するのですが、
普通に来ても、恐怖の館と呼ばれる通り、なんとも言えない不気味さが漂っている場所かもなと思いました。
ハンガリーは、ヨーロッパの孤島。
ワルシャワやベルリンに次いで、徹底的に破壊されたというブダペストが、
辿ってきた歴史。
そして、初日に感じた、ブダペストの異質さとか、他の国になかった親切さとか。。。
きっと、ハンガリーだけのものがたくさんあるはず。
ブダペストにいる間に色々感じたいと思いました。
そしてなんとなく、次はあの国に行ってみようかなと思いました。
地図も本も持ってないけど。
中を全部見終わって、外へ出ると、いつもの明るさにホッとしました。
あなたにも行きたい場所へと飛ぶ風が吹きますように。
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