バスは、ポカラを出発しました。
あいにくの天気のままだったポカラ時間。
時折、マチャプチャレを雲の間に見る事ができたけど、
ポカラを去る今日まで、景色はいまいちだったなー。ついてなかった。晴れ女のはずなのに。
でも、それ以上に、たくさんのポカラの現地の人との思い出が出来た。
これは本当に、思い切ってネパールにもう一回来てみて良かった。
景色はいまいちでも、きっとポカラに呼ばれてたんだと、そう思おう。
そんな事を考えながら、どことなく寂しい気持ちで窓の外の景色をぼーっと眺めていました。
再び、水が配られて、今度は来た時とは打って変わって、
隣りの席になったネパール人スワラが、率先して乗務員から受け取って渡してくれました。
このバスで、隣りがいい人だっただけでも救いだな。
そして、再び窓の外を眺めると・・・
ん?
電線の向こうに、今までで一番のマチャプチャレ!魚のしっぽ!!

これはもう、ちょっと泣きそうになりました。
ネパールに忘れ物を探しに来て、こんな一人旅で私を知らない人しかいない町で、
でも、色んな人が私の存在を覚えて、いっつも声をかけてくれた。
本来自分がいるホームに居ても、存在を疎まれたり、無視されたりするのに。
心ない言葉に、居場所がないとすら感じたりもするのに。
ここに、全くの何者かもわからない私のホームを作ってくれた気がした。
まるで、最後の最後に、ヒマラヤ山脈からのプレゼント、
またポカラに戻ってこいよ!って言われている気がました。
これ、本当に、旅先で突然訪れる、凄い奇跡。
だって、さっきまで雨が降っていて、というかまだ窓には滴がとび跳ねたりもしていて、
前方も後方も雲が拡がっているし、本当にここだけ晴れているのです!
ちょっと本気で泣きそう!!
そして、一番の絶景ポイントらしき場所に来ました。

す、、すごい!!
坂の向こうに満面のヒマラヤ山脈!
しかし、写真がやっぱりうまく撮れない!!窓ガラスも汚いー!
なんて、まさに窓に貼りついて写真を必死に撮っていると・・・
「ヘイ、サヨ!サヨ!これ見て!」
私の肩をたたきながら、すっごい呼ぶ声が。
スワラー!!
どうやらスワラは、以前ポカラでトレッキングした事が何度もあるらしく、
すっごい綺麗に写っている、マチャプチャレやアンナプルナの写真を見せてくれながら、
ヒマラヤの山々についての説明や、思い出話を語ってくれました。
あ、う、うん。
それすっごい綺麗だねー。へぇー、楽しそうだねー…
でも私!!
今はちょっと実物のヒマラヤを見ようかと!!

おおう…さらばマチャプチャレ…
これ、旅先あるあるだなぁー。
見たい景色がある時、誰かに話しかけられすぎ問題。
ま、まぁ絶対また来るし、いっかなぁ。
と、そんな思い出も出来ましたが、スワラは本当に紳士的で親切な人でした。
ネパールのお菓子だよ、インドのお菓子だよって、色んなお菓子をおすそ分けしてくれたり、
トイレ休憩で売店からフルーツを買ってきては、分けてくれたり。
これは、キャンディーかと思ったらガムでした。

スワラとの出会いも、ポカラからのプレゼントってことで。
そして再び、窓の外には川が現れ始めました。

崖沿いの道を通って、山を超えて、
再びカトマンズへと戻ります。

来た時よりも曇り空で、山間の景色もどんよりです。

菜の花畑がありました。
ネパールはそんなに、花が咲き乱れてもいないので、花のイメージなかったけど。
菜の花畑を見ると、ヨーロッパの田舎の景色を思い出します。

あの時からも、あいもかわらず、私はこうして海外の田舎でバスに乗り続けているんだなぁー。
でもやっぱり長距離バスは、色んな景色が楽しいよ。
曇ったり、また晴れたり!

それに今日は、スワラという親切なお隣さんが居て、
ネパールの話とか、窓の外の色んな場所の説明とかを聞かせてくれるので楽しいです。
途中、あまりの揺れに、上の棚から落ちてきた私のバッグを、片手で受け止めてくれた時は、
思わずかっこよすぎて拍手しちゃいました。
他の国もそうだったけど、こんな風にネパールの田舎を眺めていると、厳しいなとも思うんだけど、
だけど、その半面、懐かしさも感じたりして。
それはたぶん、日本も通って来た道だからだと思う。
昔の貧しい日本を私は知らないけれど、移ろってきた景色を知っている人は、プラスとマイナス、
色んな感情があるんだろうなと、こういう国を旅していると思う。
「車は、田舎の人はほとんど持っていないんだよね?移動するときはどうするの?」
「ヒッチハイクをするんだよ。それで乗せてくれない人は、あまりいない。シンプルでイージーさ。
でも、あまり田舎の人は遠くにはいかないけれど。もし、買い物に困ったら、
近くの家の人同士で分け合ったり、助け合うから、それで大丈夫。」
日本は、とてつもない田舎じゃない限りは、自分の足で自分で選んで好きな所へ行けるけど、
途上国はそうもいかない。でも、そんな風に当たり前のように助け合って暮らしているんだね。
なんか、ネパールの人を見ていると、周りを気にせず好きに動いている事に時々なんでもありだなぁ、なんて思ったりもするけれど、
助ける事もなんでもありなんだなー。
そうやって暮らしてるんだなー。素敵だなー。
ネパールは、あとどれくらい変わらないんだろう。
でもやっぱり、タイがそうだったようにいずれは変わって行くのだろうけど。
旅人としては、変わってしまった景色を残念に思うけど、
ネパールの人達が暮らしやすいように、変わって行くといいなー。
建設途中の橋。

これは、ロープウェイ。
この山の上にはお寺があるんだそう。スワラも乗ったことないらしい。

と、楽しいバス時間を過ごしていましたが、最後の休憩になりました。
ここの休憩所は、ちょっと大きめの休憩所で、食事をとれるところの他に、
たくさんの屋台が並んでいました。

あ、乗って来たバスはこれです。
外観は綺麗なんだけどねぇ。

スワラは、ここでもバナナを買ってきて、私に一本くれました。
ネパールのバナナは、ちょっと酸っぱかったです。
さて、最後の出発。

相変わらず空は、ずーっと曇っていたけれど、
それでも時折本当に素敵だと思う景色がたくさん。
そして、だいぶ山道の崖沿いを走っていた所で、バスがかなりゆっくりになりました。
なんだろとみんな窓の外をキョロキョロしています。
そして、やっと見えてきた原因がまたしても衝撃的でした。
私、ほんっとうに海外で交通事故よく目撃するんだけど、またここでも。
どうやらぬかるんだ道で、バイクで転んだらしく、バイクは崖の中心あたりに落ちていて、
力なく、だらーんとした人がもう一人の人に必死で立たされていました。
せめて横にならせてあげればいいのに、ネパールでは怪我人を立たせる事が賢明なのでしょうか。
バイクと一緒に崖の下に落ちなかったのが不幸中の幸いではあるけれど、
こんな山奥、救急車とか到着するのはかなり厳しいんじゃないのかな。
なんだか、そんな事を考えるしかできなかったけど。
スワラいわく、やっぱりカトマンズ ⇔ ポカラの崖山道はかなり事故が多いそうです。
せめてガードレールがあれば、また違ってくるんだろうけど…

そして、なんだか色んな事があったバスでしたが、
再び、にぎやかな街が見え始め、夕方4時過ぎ、バスはカトマンズに到着したのです。
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コメント
魚のしっぽの本体を見てみたい…
こんばんは。いつも楽しく見させてもらっています。
旅は…色々ありますね。色々あるからこそ面白いんですよね。兎に角ご無事で何よりです!
サヨさんの記事を読んでいると旅に出たくなるのですが、なかなか叶わないので、行きたい国の料理を日本で食べて妄想旅行をしています。ネパール篇もぼちぼちアップしていくので、よかったらお暇な時に見てみてくださいね。
体に気をつけて、良い旅を‼
「坂の向こうに満面のヒマラヤ山脈!」
良かったね。
私はこの街の名からとりました。
こんばんは
最後の最後でヒマラヤが見れたんだ!!
それは良かったです (≧▽≦)
プレゼントですね~
お隣さんがいい人で良かった (o^-‘)b
長時間の移動だから隣の人次第で苦痛になる事もあるから
でも写真はゆっくり撮らせてくれ~(笑)
山間の景色は素晴らしいですね
住むのはなかなか大変だと思うけど、この景色は変わらないでほしいな
昔の日本とネパール、ヒマラヤ
ヒマラヤを近くで眺める感動が伝わります。
相変わらずの苦労と感動の旅ですね!
旅で見知らぬ人達との素晴らしい出会い!
年齢的に昔の日本を思い出しました。
田舎の泥んこ道やデコボコ道
国道1号線でも、日本はそうでした
満員の乗り合いバスで町へ行くのが
唯一の楽しみ…
満員だから、父親と車内で離ればなれに
なるのが怖くて泣きそうに(笑)
日本も戦後はまだそんなノンビリとした時代
懐かしい時代を思い出しました。
いまは、余りにも発展し過ぎて…
Re:Re:昔の日本とネパール、ヒマラヤ
>サヨさん
世の中の進歩が早すぎて
東京へ高速を飛ばして車で行く
考えられない事でした
近々に北京へ行きますが
そんな事も…
まだまだ進歩して行くのでしょうね
頑張って旅して、楽しんで下さいね‼️