泰緬鉄道(たいめんてつどう)を造るという、かつてから、計画されていたこの場所に鉄橋を架けるためです。
前回、カンチャナブリーの町について大まかに書きましたが、今回はカンチャナブリーの一番の観光スポット、クウェー川鉄橋についてです。
クウェー川鉄橋とは、カンチャナブリーにある大きな鉄橋です。
カンチャナブリーを流れる大きな川、クウェー・ヤイ川に架けられています。
実はこの橋は、日本とも関わりがあるのです。
第二次世界大戦当時、日本軍はビルマでの戦線(インパール作戦)への物資を運ぶため、陸路で渡れるルートを探り、そしてここが選ばれたのです。
泰緬鉄道(たいめんてつどう)を造るという、かつてから、計画されていたこの場所に鉄橋を架けるためです。
建設には、当時捕虜だったイギリス人兵士や連合軍の兵士、現地やその他の東南アジア隣国の人々までもが借り出され、それはそれは劣悪な環境だったそうです。
と言うのも、当時はまだ密林の地。
切り拓くための過酷な作業、伝染病などの蔓延、飢餓、そして強制労働のための虐待などによって、捕虜およそ55,000人、アジア各国からの労働者250,000人のうち、半数以上の犠牲者が生まれたそうです。
そんな背景から、それを皮肉するかのように、英語表記では「Death Railway」と名付けられています。
そして完成したその後も、橋は何度も爆破され、その度に修復され、やがて現在の姿として今も残されているのです。
それらは、有名な映画「戦場にかける橋」の中でも、実際にこの場所を使い描かれています。
対面岸には、慰霊碑が建てられています。
ただやっぱり、日本軍の慰霊碑の扱いは、控えめであり、あまり良くは思われてはいないそうです。
戦争の時の背景を思えばではありますが、日本人にとっては少し寂しいですね。
そんな悲惨な歴史を持つこの場所ですが、今は本当に有名な観光地として多くの外国人で賑わっています。
この鉄橋は、レイルの上を歩いて渡れるのです。
実はこの線路は、今でもばっちり使われていて、一日に2回バンコクからの鉄道が走っていて、観光用の短距離のトロッコ列車もこのレイルの上を走って来るのです。
なので、トロッコ列車に乗ってこの橋を渡るということもできます。
ちなみに、この鉄橋の上を歩いている時に列車が来たら、橋の途中に設けられている避難スペースに行けば、列車とギリギリですれ違うというスリリングな体験もできちゃうそうですよ。
列車は、超超スロースピードで走るため、危なくはないそうです。
実際に歩いて、鉄橋を渡ってみました。
実は高い場所がそんなに得意ではないので、橋の隙間から見える川面がかなり怖くて、若干パニックになりました。(^_^;)
クウェーヤイ川は、かなり大きな川だし、結構水面から高いんですよ。
そして、強風が吹きつけます。
途中、笑顔でアコーディオンを弾くおじさんがいました。
私を見つけると、日本語で、「さる、ゴリラ、チンパンジー」と、クワイ川マーチの替え歌を歌ってくれました。
おじさんの可愛らしいサプライズに、すっかり癒されました。
カンチャナブリーはそんな昔の出来事から、負の世界遺産的なこの鉄橋を始め、イギリス軍兵士の墓とか、第二次世界大戦当時の卑劣さを伝える博物館などがいくつかあり、ちょっと日本人の私には、肩身が狭いのかなとも思ったりもしたのですが、ちっともそんなことはなく、とてもとても爽やかな町で、出会った人達も優しかったです。
そして、この場所も今は、たくさんの国の人達の笑顔があふれる場所になっています。
そんなカンチャナブリーの町の魅力は、またそのうちお伝えします。
*観光、徒歩で渡るのは無料
トロッコ列車に乗る場合は、20バーツ
カンチャナブリーゲストハウスが並ぶ辺りからは、自転車で10分くらいで到着です。
あなたにも行きたい場所へと飛ぶ風が吹きますように。
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