旅日記 インド バラナシ

本当の悪人ってなんだろう

投稿日:2019-01-14 更新日:

バラナシ最後の一日が始まりました。

 

夜には、夜行バスでネパールへと出発です。

しかしその前に、最後に行きたい場所がありました。

そこに行ってから、バラナシを発ちたいのです。

向かいます。

 

道で何やらパレードっぽいものに遭遇しました。

 

私の旅、なぜかその町の最終日にパレードに遭遇しがち。

ちょっとラッキーな気持ちになります。

 

 

何のパレードか気になったけど、

こういう時に限って、インド人誰も声かけて来ない。

ちなみに、ヴィシュワナート小路でヘナを買いました。

小さな円錐状の入れ物に入っていて、先を鋏か何かで切ると出てくるやつです。

 

アーグラーでヘナタトゥーをしてもらった時にも、使われていたものだけど、

お店で買ったら10ルピーで買えました。(17円くらい)

 

まぁ、タトゥーを描く技術がないから、なんともだけど、

すっごいあれって料金上乗せですね。

 

友達にヘナタトゥーしてもらったーって写真送ったら、いいなーって言ってたんで、

せめて気分だけでもと思ってお土産に。

昨日買い物をした時に、

隣のお店のおじいちゃんがこんなのあるよーって出してくれて、

いらないって思ったけど、友達の言葉を思い出したので結局買いに来たのです。

 

 

あ、インドのお土産、ちゃんと見つかった。

 

 

ところで、行っておきたい場所と言うのは、マニカルニカー・ガートです。

そこは、いわゆるバラナシの大きい火葬場と呼ばれている場所で、

写真などでよく目にする、ザ・バラナシって感じの、

ガンガーから撮った写真が有名な場所です。

 

 

ってか、こないだ小さい方の火葬場行ってたじゃん、

どんだけそういう場所興味あるのさ?っていう声が、聴こえてきそうだけれども、

こっちのマニカルニカー・ガートは、ヒンドゥー教の中でも、一番大きな火葬場なのです。

バラナシに来たら、この場所の景色は見ておきたい場所でした。

 

 

で、このマニカルニカーガートも、

他の場所同様に迷路のようなバラナシの道の奥にあるので、

かなりぐねぐねとした細い道を歩いて行きました。

途中にあった、大事にされているっぽい巨木。

バラナシにあるだけで、大きな意味があるように見えます。

でも。

 

実は、マニカルニカー・ガートへは、

来る前に情報をもらっていた旅友たち何人もから、同じ注意をたくさんもらっていたのです。

 

 

あそこは、本当にやばい場所だから、絶対にあの場所で声をかけてくるインド人には反応しないこと。

フレンドリーに見えても、絶対に無視して。無視してれば、すぐに他へと移るから。

普通に中心地などで声をかけてくる、お土産物売りのインド人やリキシャーマンなどとは比べ物にならないくらい悪者だから。


一緒に居る友人にもそれを話し、少し緊張しながらも、到着しました。

もちろんここでも撮影は禁止なので、写真は一枚もありません。

 

 

火葬場からすぐ真上にある建物の中は、もちろん灯りなどなくとても暗く、

中には何人もの老人が座り込んでいました。

と同時に、ずーっと勝手にガイドをしてくる男がいたのです。

きっとこいつが、みんなが教えてくれた悪人なんだろうなとすぐにわかりました。

 

 

この場所にいるインド人は、ハリスチャンドラ・ガートで出会った、

ほのぼのしたインド人達とは、本当に全く雰囲気が異なり、

どんなに差し支えのない質問でも、上手に話している英語の発音でも、

やっぱり異質にすら感じるほどです。

 

 

私は、ひたすら無視をし続けました。

そのうち、すっごい触ってくるのです。

思わずイラッとしてしまい、「触るな!」と怒りました。

「触ってない!」とそいつ。

だけど、またしても触ってくるそいつ。

 

そのうち、「そこにいる僕のマザーに薪代を寄付してくれよ」と言い始めました。

彼女達はナースなんだとかなんとか。

でも、そんなのとんだ嘘っぱちです。

何も関係のないこいつに寄付なんてする必要何もないのです。

 

 

もう、限界。

さっさとこの場所を出ることにしたのですが、

それでもなおしつこくついてくるそいつ。

もう、この出ようとした瞬間から、噂に聞いていた通りの大罵倒が始まりました。

 

「ファッ○~」

 

汚い言葉を次々と怒鳴りつけてくるのです。

 

 

それでも、無視して歩みを進めると、後ろから背中を触って来て、

私の頭をその手がかすめた時に、思わず振り返り睨みつけました。

そしたら、動きが止まったそいつは日本語で、

 

「ちんちんぶらぶらー」 これ、文字にして大丈夫かな。

 

と、完全に馬鹿にしたように叫び続けていました。

 

気分最悪になったのは、もちろんではあるけれど、

それよりも悲しいと思ったのです。

私がその瞬間、なぜか勝手に想像したのは、

こいつが布団もない場所で眠っているんだろうなっていう姿。

 

それと、哀れな日本語。

日本に居る、私の生徒達は、まず知らないだろう汚い馬鹿な日本語。

 

でも、一番、憎たらしいと思ったのは、そいつではなく、

その言葉をそいつに教えた日本人。

その日本人こそがクズで、それを今も教えられた通りに使っているこいつは哀れ。

この言葉こそが、日本人からお金を巻き上げるための、

脅しの言葉か何かと信じて使い続けているのです。

 

なんで、こんな悪い事をする奴と話をするチャンスがあったのに、

良い言葉や他のことなどではなく、その言葉を教えたんだろう。

なんのつもりで。

 

 

今まで色んな町で、日本語を教える機会に出会ってきたけれど、

その時の教えた人達の笑顔。

インドでも、アーグラーで出会った少年達が、

名前を書いたノートの切れ端を嬉しそうにしてくれたこと。

 

そういうのも浮かんで、悔しくなったのです。

 

 

バラナシ編の最初に書いた、出会った”悪人”とはこいつのことです。

迷うこともなく、外国人を騙して、はたまた脅して、

お金を手に入れようとするこいつは悪人です。

 

でも、本当の悪人とは誰なんだろう。その悪を育てている人がいるのです。

それは紛れもなく、その汚い日本語を教えた日本人も根源。

 

こいつは、いつからこうしているんだろう。

そしていつまでこんなことをしていくつもりなんだろう。

 

嘘つきのインド人が多かったバラナシだけど、

そんな中でも最低なことをしているこいつの人生って、なんなんだろうと、

そんなことを考えました。

 

 

今日もあいつは、あの場所で、外国人を獲物と思って狙っているのだろうか。

そして、うまいこと手に入れたお金があったら、

それをどんな気持ちで使うのだろう。

そんな悪事をしながら、何を思って眠りにつくのだろう。

いつか、あいつは騙す喜びではなく感謝される喜びを知る日は来るのだろうか。

 

あいつのことをふと思い出すと、そんなことを考えます。

とは言え、次にバラナシに行っても、もう二度と出会いたくはないけれど。

 

 

 

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-旅日記, インド, バラナシ

執筆者:


  1. スティーヴ より:

    サヨさん、こんばんは?

    その話しを聞いて、タイなどの買春ツアーを連想しました。
    日本人はどうも海外に出ると、今一評判が悪いですね!

  2. tekutekubunbun より:

    こんばんは

    そんな事があったんだ
    気分が悪いというかそういう日本語しか覚えてない所がなんか悲しい
    今回の旅は微笑ましい話もあったのに最後がこれってチョットね~

    でもサヨさんすごいですね
    オイラだったら事前にそう聞かされてたら行かないかも??

comment

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