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生きたまま仏になるってどういうこと?

投稿日:2015-05-22 更新日:

即身仏って知ってますか?

僧侶の修行の中でも、もっとも過酷で崇高な修行なんだそうです。

生きたまま自分が仏となった僧侶をそう呼ぶそうです。

生きたまま仏なんてどういうこと?

それは、この後書きましょう!




 

その即身仏は、日本にも何体かいらっしゃって、

たぶん気候の関係だと思うけど、東北とか寒い場所に祀られているのです。

 

即身仏を見たくなって、はるばる行ってきました。

山形へ。東京から、片道6時間かけて。

 

到着しました。ここにいらっしゃいます。

 

行ってみましょう!!

 

大日坊瀧水寺です。


なんだか、東南アジア旅からもそうですが、

趣味、寺めぐりみたくなってますが、個人的にはほんとは教会の方が落ち着くんですけどね。

 

なにはともあれ。

手を洗って。


中に入ると、

この日、GWだったからたまたま運が良かったのか、

それとも毎日行われているのかわかりませんが、

住職の方が、お寺にまつわる歴史とか、もちろん即身仏となられた僧侶についても

説明をしてくださいました。

 

結構な田舎にあるため、観光客は他にはいませんでしたが、

近所の方らしき人達とこの時は、5人くらいでお話を聴けました。

 

ここのお寺では、お葬式は行われていないらしく、

だからまさしく心願成就のお寺なんだそうです。

 

そして、その昔、春日局もはるばる大手町、、、じゃなくって、

江戸の大奥から心願成就の為にやってきたそうです。

そんな大昔の東京 → 山形なんて、どんな大旅だったのでしょう、と想像してしまいます。

お願い事はもちろん、将軍徳川家光の出世。

その為に、何千里と旅をして。。。

いやぁ~、っすなぁ~。いいなぁ~。

 

で、即身仏の僧侶なのですが、

そもそもここのお寺には、3体の即身仏がいたそうなのです。

 

でも、その昔、神社になれと言われたここのお寺はそれを拒み、

そのせいで火をつけられ、その時に燃えてしまったそう。

あ、燃えてっていう言い方、いいのかなぁ。。。

 

だけど、一体だけ奇跡的に残ることができたのが、

ここにいらっしゃるお方だそうです。

 

とにかく、由緒あるお寺なんだそうで、かなり有名な全国の寺なんかものれん分けされたような、凄いお寺なんだそうです。 

あれ?のれん分けって言わないかな。

 

と、、、とにかく!この中にいらっしゃいますよ!!

さあ、行ってみましょう!!

って、そりゃあそうです。

写真撮影禁止ですよ。

 

すみません。またまた、飾られている写真を撮影してきたので、

そちらをご覧になりつつ、即身仏を感じてください。

 

このお方がいらっしゃいます。

 

硝子ケースの中にいらっしゃいます。

でも、やっぱり想像よりもはるかに穏やかでした。

 

このお方は、今もなお修行の途中。

ミイラって言っちゃだめです。

そもそも、住職さんいわく、ミイラじゃない、ちゃんとした即身仏はこのお寺のこのお方だけなんだそうです。

 

ミイラの定義は、死んだ後、内臓なんかを取り出して人の手が加わり加工されること。

でも、即身仏は、加工なんてされていない。

今も生きて修行されている、なのでミイラではない!色も黒くないでしょ? By 住職様

 

そもそも、この生きたまま仏になる修行はどんなものなのかと言いますと、

だいたい1年とかかけて、体を腐敗しない(つまり虫のつかない)体にするそうなのです。

 

まず米などを断ち、水も減らしていき、木の実などを食べて体を仏に近づけていきます。

そして、穴の中に入り、最後には漆を飲んで、体を作り上げるのだそうです。

祈り続けたまま、仏となります。

 

漆も、顔なんかについたら速効でかぶれるのに、飲むのは大丈夫なんですか?

そんなの毒を飲むのと一緒なんじゃないんですか?と思うじゃないですか。

でも、住職さんに聞いたところ、漆もちょっとずつなめるところから始めて、

体を慣らしていくのだそうです。

 

考えただけでも、想像もうまくつかないくらい過酷な修行ですよね。

あ、現在は法律で禁止されております。

 

ここからは、住職さんに伺い忘れたので、

私が以前調べた寄せ集めの知識なのですが、

 

そもそも、なんでこういう修行をするのかというと、

天災が続いたり、飢餓が続いたりした時に、自分が仏になることで

その災いを鎮めようと始められた修行と言われているそうなんですね。

つまり、自分の身を人柱じゃないけど、差し出しましょうと。喜んで仏になりましょうと。

 

で、もちろん、仏となるからには、それを確認する役割の人間が必要じゃないですか。

それはもちろん、修行僧の弟子なんかがするそうなのですが、

その確認方法も、なんだか切ないって言っちゃあまり良くないんだろうけど、

なんだか心にずーんと来るようなお話でして。

 

自分の小指に、外と結んだ紐と鈴をつけて、僧侶は穴の中へと入りお祈りを始めるのですが、

毎日だったかな、何日か置きだったかな、、ちょっと記憶が曖昧になってますが、

弟子がその紐を引っ張るのだそうです。

そして、鈴の音が返ってきたら、まだ息をしていますよ、

つまり死んでませんよっていう言い方はだめなのですが、

入滅してません。仏になれておりません。という合図。

でもそれが繰り返されるうちに、鈴の音はどんどん弱弱しく、

やがて聴こえなくなるそうなのです。

 

それから、約束をした半年後とか一年後とかに掘り起こされ、

すっかり即身仏となった僧侶と弟子は再会するのだそう。

 

ここの即身仏様も、ケースの中と繋がれた紐が天井に伸びていたので、

あれがそれなんだと思います。

しかし、遠くまで来て、こうやって説明までしていただけるなんて、

凄く得した気分でした。

 

即身仏なんて、結構その、念だとか想いだとか強いはずだし、

やっぱりなかなかの場所なのかなって勝手に思ってたのですが、

ほんとに穏やかな空間でした。

 

もし、自分だったら、、、

 

自分は祈るために自分の体を差し出せるのか。。。

 

時代だって違うし、そんな事わざわざ考える必要もないんだけど。

やっぱり。

その昔、そんな強い想いを抱いた人がいて、

その本人を見ることができたことが、ほんとに良かったです。

 

またひとつ旅の思い出ができました。

今も修行の途中なのですね。

 

 

 大日坊瀧水寺

住所:山形県鶴岡市大網字入道11

拝観料:500円

時間:8:00~17:00

※車じゃないと行けないです。

HP:http://www.dainichibou.or.jp/

 

 

 

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執筆者:


  1. Yeti より:

    サヨさん、こんにちは。

    即身仏、初めて知りました。
    そして、即身仏になる方法も初めて知りました。

    なんとコメントしていいのかわからないんだけど、
    「すごい」という言葉だけでは足りないというか。
    ただただ、ブログ、読み入ってしまいました。

  2. レインボー より:

    即身仏・・・崇高な修行・・

    祈るために生きたまま仏になるなんてすごいですね。
    相当なというか、極限の精神力が必要そうです。
    祈りの信念には低頭します。

    人格者で立派な方だとは思うのですが、・・・。

    私は自分のための欲ばかりあるので、とてもできません。
    そして、本当に自分が極限の苦痛に耐えて仏になって、天災への祈りが叶うかも疑問ですし、ある意味、自己満足に帰結する気もします。

    あぁ、こんなことを思うと、バチが当たりますね。
    実際にお会いすると、その尊さが伝わるのかもしれません。

    私などは、ダイエットすべきポッコリお腹なのに、
    1回の食事も欠かせません(笑)

  3. 藤堂サラ より:

    ほぉほぉ♪
    検索してたらたどり着きましたヽ(´▽`)/別の記事も読ませてもらいましたヽ(´▽`)/また更新されたら読みにきまーす!

  4. うしおクローバー* より:

    永遠の旅人

    興味深く読ませていただいております♪

    確か、高野山では弘法大師さんが今も生きていて祈り続け、人々を救って下さっておられると信じられているのですよね。過去の日本に、また世界に、人々や平和のために自らの身を捧げた方が、どのぐらいいらっしゃるのでしょうね…

    ところで、「衣替」と書いてありますが…夏服になられるのでしょうか…。ちょっと気になります。

  5. gaina-1224 より:

    こんばんは
    すごいお話ですね。人がその域に行くことは
    今の時代からでは想像すら出来ないです。
    でも、世界は広い。今も形は違え、命をかけて
    このようなことがある国はあるのでしょうか。
    なんだか、私の悩みが、凄く小さなものにも
    感じられます。
    すばらしいブログ、読ませていただきました。
    ありがとうございます。

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