旅日記 ポーランド アウシュビッツ/ビルケナウ 負の世界遺産など

オシフィエンチム アウシュヴィッツ強制収容所4 ガス室

投稿日:2016-10-02 更新日:

ここアウシュビッツで行われていた数々の非道な事の中でも、

よく知られているのは、ガス室でたくさんのユダヤ人を殺害していたということです。

 

 

まずは、この収容所に集められて人々が最初にされたことは、

顔を見られて、生か死か、右か左へと分けられる、

”命の選別”をされるということです。

 

老人や障がい者は、まず働けそうにないから即ガス室への方へ。

子供も価値がないから、ガス室へ。

 

これは、命の選別をされている写真です。

その選別を行っていたのは、本来命を助けるはずの仕事をしているドクター。

収容されず、殺害された人がほとんどだそうです。

 

75%の人が、ガス室送りにされたそうです。

そして、分けられて生の道へ進んだ人達も、男性女性分けられて、

子供を増やせないようにしたそうです。

 

これが、そのガス室内で使われたチクロンBという殺虫剤。

 

中谷さんのガイドは、ガス室の中へと続きます。

 

よく晴れている青空でも、さすがにここに入る瞬間は、

なんだか重い空気を感じました。

みんな、シャワーで消毒をすると騙されて、

裸にされ、ガス室へと入れられたそうです。

 

一日、300人~1000人。

いくつかあったガス室を総合すると、多い時で一日6000人以上もの人が殺害されたと言われています。

ナチス軍は、まるで工業や商業の計画を立てるかのように、

一日何人殺害できるか、その遺体の始末をどれくらい効率よくできるか、

そのことにこだわっていたそうです。

このガスでの殺害は、殺害する側のナチス軍の精神状態の負担を配慮でき、

そのうえ、低コストで効率良く、人を殺害できるとの理由で、

使われたそうです。

人の心の負担を考えられるのに、

収容者のことは、人として見ていなかったんですね。

 

いつか読んだ、生還者の方の話で、ちょっとでも気を使ってくれたり、

こっそり優しくしてくれた看守はいたのか?という質問に、

そんな看守には出会ったことがないと答えていた、その意味を思い出しました。

ここにたくさんの人が詰め込まれると、

小さな穴からチクロンBが投げ込まれました。

 

人々はとにかくぎゅうぎゅうに詰め込まれ、

手を挙げた状態で入ることを指示され、

遺体はいつも、苦しそうに折り重なり、

その投げ込まれる為の小さな穴の近くに、殺到していたそうです。

 

そして、ここに横たわった遺体を処理するのはもちろん、収容者の仕事。

そこでも効率性にこだわり、遺体を人間として扱うようなそぶりを見せると、

その人も、また罰を与えられたそうです。

 

そして、ガス室の傍らに、焼却炉が造られています。

ここで収容者を焼き、灰にし、野原などに撒いたのです。

 

ここは、24時間稼働させていました。

つまり、24時間、ここでたくさんの人が殺害され続けたのです。

外に出ると、やっぱりまぶしい青。

でも、張り巡らされた鉄線は、

どこの場所でも目の前を閉ざしています。

そして、ガス室のすぐそばには、絞首刑の為に造られた絞首台。

でも、ここでは収容者のほかに、このアウシュビッツの所長、ルドルフ・ヘスも公開処刑とされています。

(ナチスの副総統の方ではなく)

彼は、こんな悪虐な場所のすぐそば、しかもこの絞首刑の場所から見えるようなすぐそばに、 

家族を住まわせていました。

家族のことは、とても大事にしていたとされるヘス。

子供たちの明るい声は、よく綺麗にされた庭に響いていたそうです。

そして、子供たちが、看守と囚人ごっこをして遊んだ時には、物凄い剣幕で叱ったそう。

 

死の間際、「自分は、ナチスの歯車のひとつだったということに過ぎない」と語ったヘス。

当時、ヒトラーに逆らうことなんて考えられなかったことでしょう。

 

だけど、シンドラーという人物が居て、日本にも杉原千畝さんという人がいる。

そして、杉原さんひとりではなく、絶対に一緒に動いていた人もいたはずで。

 

そもそもの人間の心っていうものは、必ずあって。

彼は加害者であっても、決して被害者ではない。

だけども、きっと尋常ではない勇気を持って動いていた人達の真似を、彼ができなかったことの何もかもを、

きっと誰も責めることもできないのだと思う。

 

アウシュビッツ強制収容所を出て、続いて少し離れた場所にある

ビルケナウ収容所へと向かいます。

このアウシュビッツとビルケナウを行き来するバスは、無料で運行しています。

 

 

すみません!

アウシュビッツでのカメラの調子、絶好調に悪かったです。

写真が見ずらいものが多く、本当にすみませんです。

 

 

ビルケナウへと続きます。

 

 

あなたにも行きたい場所へと飛ぶ風が吹きますように。
ランキング参加中です。応援のワンクリックをよろしくお願いします。

にほんブログ村 旅行ブログ 旅行情報へ
にほんブログ村


放浪記ランキング

 

こちらも更新中↓

アメブロ 新しい旅に出る準備はいつだって出来ている

ゴロー丸ブログ 真面目なサラリーマン旅をする

その他の記事

<sponsored link>







-旅日記, ポーランド, アウシュビッツ/ビルケナウ, 負の世界遺産など

執筆者:


comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

PREV
オシフィエンチム アウシュヴィッツ強制収容所3 死の壁
NEXT
ビルケナウ強制収容所1 死へと向かう列車

関連記事

ヘナタトゥーとラスマライとアーグラーの呪い

インドに行ったら、してみたかったこと。 それがヘナタトゥー。 ヘナタトゥーは消えるタトゥー。 一般的には、2週間程度持つって言われてるらしいけど、私はそんなに持ちませんでした。   インド人女性は、魔…

続きを読む

ハノイまでのバスチケットゲット パトゥーサイの向こうへ

今日も朝から、気分はイライラどよ~ん。。。 ってのも、昨日うまく次の場所までの足を確保できなかったことにも悶々としていたし、 朝ごはんを食べにいつもの簡易ブッフェに行ったら、 今日もいつものごとくチャ…

続きを読む

アルパカとクイと日本のネズミと日本語と。。。

アルマス広場を抜け、最後のクスコ観光へ。 アイスクリームを買ってGo!! 1ソルって嬉しい!     クスコは、アルマス広場周辺だけでなく、 メルカド(お土産市場)がかなりあります。 今日も…

続きを読む

100万ftのブダペストの夜景ってこういうこと!

ブダペストで過ごす最後の夜です。   この旅の中で一番長く居た街。 宿を延泊してまでだいぶのんびり過ごしました。   でも、まだブダペストには、”素敵”が詰まっているんですよ。 と…

続きを読む

人骨を巡る旅 inクトナー・ホラ セドリツ編 聖マリア大聖堂

クトナー・ホラは、ずっと来たかった町と言っていますが、 何があるのか。 ほんっと、田舎町です。お店も見当たらないくらい。   こんな感じの誰もいない、これといった建物もないような道を歩いてい…

続きを読む

留学先での母の日

ニュージーランドも母の日は日本と同じ日。日本にいる母に今は何もできないけど、せっかくなのでこの母の日にプレゼントを買おうと思いました。そして、ニュージーランドでの”母”にも。何気ないこの一日も、色んな事を感じて小さな事に出会って、かけがえのない一日にきっとなる気がしました。

Sayo

バックパッカー。
一人旅が好きで、定期的に海外へ飛び出しています。
好きな過ごし方は現地の人達と笑うこと。
読者の方が旅気分になってもらえる記事を目指して、日々書き綴っています。
負の世界遺産多め、陸路移動がメインです。

旅ワン:ネギ

Sayoの愛犬。日本全国を一緒に旅したいワンコ。お芋持参で国内の犬OKスポットに出没中。

愛犬と行く国内の旅

sponsored link