ニュージーランド留学の頃の記事を古いブログから移行します。
*日付は留学時のものではありません*
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今日は、初めての街に行こうと思ったのです。
いつも通学途中のバスの窓から見えるペットショップに行ってみたいなと、
ずっと思っていたのです。
小さなお店だけど、窓には、可愛い犬用の服がたくさん飾られていて、
いつも気になっていました。
日本で待ってくれてる愛犬に、お土産に服を買ってあげたい。
でもあんまり、こっちの人達は愛犬を散歩させてても、服なんて着せてないけど。
まぁ、最初の頃になったホームシックの半分近くくらいは、愛犬に会えない触れないこと。
もし、あの子が一緒に留学に来ていたら、もっと寂しくなかっただろうと思う。
彼氏には会えなくても平気なのに、愛犬には会いたくて堪らない!!
でも、こうやって自然たっぷりの国、ニュージーランドの愛犬用のお土産を、
たくさん探して、帰国してあの子に会えるのを楽しみにしていよう。
学校が終わり、バスを待ってると、今日もイレギュラーな時間にも関わらず、
ミンとばったり会いました。
私は毎日、バスの時間はバラバラで、クラスメイトとお喋りしたり、
ダウンタウンをふらふら歩いたり、残って勉強したりと、
まったく帰りのバスの時刻は、決まっていないのに、
彼とは、ほんっとうに波長が合うらしい。
ジョーとは、滅多に偶然会うなんてないのに。
時々、こういう人っているなぁ。
でも、今日のミンはとっても疲れ気味の様子で、言葉少なめでした。
「ミン、学校帰り?」
「おお、サヨ。君も?」
「今日は、行ってみたい場所に行こうと思って。」
「そうか。」
そんな軽い会話をしても、いつもだったら、街でこういう物を見たよとか、
自分の国ではどうとか、時には、漢字で会話をしたりして、
適度には盛り上がるのに、今日の彼はそう言ったきり視線を足元に落とすと、
本当に小さく溜息をついて黙りました。
明らかに、なんかあったんだな。聞いてもいいのかなぁ。
今日は一段と、スカイスクリーマーのチャレンジャー達の悲鳴が響いて聴こえました。
すぐにバスが来たけど、相変わらず彼は無言のまま。
いつも通り隣の席に座るか、こういう時は、離れてあげた方がいいのか、
ちょっと迷ったけど、なんかそれもあからさま過ぎる気がしたし、
結局、彼の隣にいつものように座りました。
「ミン、今日疲れてる?」
思いきって、喋りかけると、
「少し、留学に疲れたんだ。」
「ホームシック?」
「いや、ホームシックじゃない。でも。。。」
なんか言いかけて、また溜息をつく彼。
「大丈夫?」
聞くと、「Don’t worry」と言ったまま、ちょっと笑って、
また黙ってしまいました。
うーん。これは、話したくないのか。私などに話しても、仕方がないのか。
もっと、言葉が通じれば、沢山の言い方が出来るのに。
文化の違いも、どうしたらいいかわかんないや。
こういう時、彼の国の人達って、どうするもんなんだろ。
そんな感じで、彼を気にかけている間にも、降りようと思った街が近づいていて、
もう次の停留所です。
彼も誘ってみたら、気分転換になるんじゃないだろうか?
そんな事もちょっと思ったけど、ミンが私ほどの動物好きとは限らないし、
やっぱり今は、1人にしてあげるのが正解なのかも。
「私、ここで降りるね。今日はペットショップに行くんだ。」
「そうか。楽しんで。」
1人でバスを降りました。
私も、来ていきなり最初の頃、まんまとホームシックになったけど、
今はなんとか、こうして自分なりに立ちあがっていられている。
もちろんそれは、自分ひとりの力ではなかったけど。
でも、ホームシックじゃない留学疲れってなんなんだろ。
あんなに何も話さず落ち込むくらいに、うなだれる留学疲れってなんなんだろ。
後から知った話しですが、自分の為に留学に来た私とは違って、
ミンは、家族や村の期待を背負って、どうやら留学に来たとの事でした。
もちろん、彼が行っている学校レベルは、私が行っているような語学学校とは全く違って、
かなりのハイレベルな学校で、授業内容やメソッドも、かなり厳しいらしく、
色んな事のプレッシャーで疲れ切っていたようでした。
それを知って、私が知っている世界は、まだまだ狭くて、
文化より言葉より、自分は世界のこと、何にもわかってないんだなと思いました。
ひとまず、初めてバスを途中下車しました。
行ってみたかったペットショップは、小さな街の大きな通りにあって、
ちょっと古い感じがするけれど、お洒落な雰囲気。
この町の名前もわかんないけど、新しい街を歩くのは、ちょっとワクワクします。
ニュージーランドに来て、最初の頃は、恥ずかしくて顔もあげられなかったけど、
今は1人で、気になる場所に行くくらいにはなんとか成長した。
これが、ひとつずつ、これからの自分の栄養になっていくんだろうな。
お店に入ってみると、外から見ていたより小さな店内で、お客さんは誰もいませんでした。
でも、いつも窓から見えたとおり、犬用の服は沢山売られていました。
座り込んで選んでいると、突然白い物体が凄いスピードで飛んできて、私の長い髪の毛に噛み付いたのです。
真っ白いスピッツでした。
あわてて、店員さんがやってきてその犬を抱き上げると、店員さんの髪の毛も食べて、
店員さんに怒られていました。
この子は、人の髪の毛に食いつくのが好きらしい。
なんだか、ちょっとしんみりしてたけど、その犬の明るさにパワーをもらいました。
やっぱり犬は、フレンドリーでいいなぁ!!
しばし吟味したけど、ニュージーランドのおみやげなのに、
チャイナ服を愛犬に買っていくことにしました。
(しかもこれ、実は思ってたよりも小さくて、うちのおデブちゃんハルコにはパッツンパッツン過ぎて、ほとんど着せられなかったんですが。。。)
店を出て、せっかくなんで、その辺を散策してみることにしました。
と言っても、大通りのこの道を反れたら、特に賑わっている場所もなく、
ホームスティの家の辺りと変わらない、何もない田舎町なのですが。
ひとまず歩いているととっても広い公園がありました。
見晴らしもよく、ベンチもあって、おじさんが一人座っているだけで、
他には誰もいなく、とても静かでした。
しばし、ここで休憩することにします。
緑いっぱいでとても清々しいです。
今日は、晴れていて良かったなぁ。
空は、とにかく青くて、なんとなく手が届きそうなくらいに低くて、
緑と青の間には、なにもなくて。
いつかこの国を思い出す時、必ず緑が浮かぶと思っています。
さっきのミンの”ホームシックじゃない留学疲れ”って言葉をやっぱり思い出します。
自分の寂しい感情じゃない留学疲れ。
考えてみると。。。
サウトの事。まぁ、それは確実に疲れる!あの事件以来、私は奴が大っ嫌いだし、
奴も、クラスに時々現れては、なんかイラッとする事言ってきたりもする。
家では、目も合わせないようにしてるし、言葉も交わさないし、パパママが寝る頃に、
さっさと私も部屋に戻るから、二人きりにはならないし。
でも、何より、奴は私の留学の全てじゃないから、もう排除するようにしているので、
ストレスの一部ではあるけど、まぁなんとか。
他には、街で時々あるアジア人差別かな。
特にやるのは、マオリ系じゃなくてイギリス系の人達がほとんどだけど。
あれは、運悪く続くと、落ち込む原因にはなる。
あれ以来でも、今も同じような事に時折遭遇するのです。
そのたび、おんなじ場所にいて同じ空気を吸っているのに、
欧米人ならOK、でもあなたはアジア人だから違う生き物でしょ。
だから、許されないの。ここにいるべきじゃないの。
って言われているような気持ちになって、凄く悲しくなる。
見た目が違うってのは、それだけでそんなにもダメなことなのかな。
とは言え、差別というか嫌な事をしてくる人の方がもちろん少なくて、
たまたま目が合って挨拶した人や、その場に居合わせただけで他愛もないことを話しかけてくれる人。
日本じゃなかなかそんな事ないから、そういうのが大好きだと思う。
私は、ホームシックからは脱したけど、留学疲れはしているのかな。
気がつくと、誰もいない公園、すっごく心地いい。
オークランド市街の人の多さにちょっと疲れてたなぁとふと思いました。
いや、いかんいかん。
すぐ、しんどい感情に居る人に引っ張られるんだから。
私まで、落ち込んでどうする。
そんな事をうだうだと考えていたら、陽が暮れてきていました。
バス停までの帰り道で、どんぐりを発見したので、拾って帰りました。
でも、ニュージーランドのどんぐりは、とても大きくてあまり可愛くないけど。。。
大きいトトロには、喜ばれるかも!!
今日のパパの手作りディナーは、バジル風味のチキンとサラダ。ポテトのガーリック風味。
最近は、ディナー時に、みんなでワインを飲むのです。
ニュージーランドはワインが美味しい国なのだそうです。
でも、あいにく私は赤ワインが苦手。
でも、そんな私のために白ワインを用意してくれていました。
なんて、お洒落で贅沢なディナーなんだと思います!
それから今日、人生初のブルーチーズを食べました。
パパママは、うまい!って食べてたけど、私にはちょっと苦すぎた!
そんな私を見て、二人は楽しそうに笑っていました。
ホームスティ先は、平和そのものです。
あなたにも行きたい場所へと飛ぶ風が吹きますように。
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